DIYで魔法世界を再建!
今まで食料である木の実は、地面に落ちている物ばかり広い集めていた。昔テレビで、「熟れてる果物は自然と木から離れる」という情報を耳にしていたから、あえて地面に落ちている物ばかりを拾い集めていた。
あんまりたくさん採りすぎても私が困るだけだし、何より木々や動物に申し訳ない。木の実を食べるのは私だけではない、この林に住んでいる動物達も、食べ物がなければ生きられない。
だから、あえて木登りもしない。落ちて怪我するのも嫌だったし、木の枝の間に作られた鳥の巣を崩すわけにもいかないから。
精霊さんからは、「鳥の卵なら1個くらいお裾分けしてもらえばいいのに」と言われたけど、もう少し料理の材料や道具が整ってから考えたい。
卵を茹でただけの『茹で卵』でも十分美味しそうだけど、塩や胡椒も無しに食べるのはちょっと味気ない。資源が豊富なこの林なら、調味料でも簡単に調達できそう。
近くの岩肌から『岩塩』が採れそうだし、胡椒代わりの野草なら沢山ありそう。

それに、もう『鍋』は完成しているのだ。
ただ、鉄で作られた鍋ではない。『木の実の殻』を加工して作った、『耐熱性の器』
その木の実の名は『ナタギリコッコ』
私が見つけたナタギリコッコは、私の顔と同じくらいの大きさに成長していた。普通のナタギリコッコは手の平に収まるサイズなのだが、それだけ何故か巨大だった。
この辺りは長い間、人の手が加えられなかった為、実が大きく成長しても、誰も手をつけず、自然と地面に落ちたのではないか・・・と、精霊さんは推察していた。
一応テストもした。ちゃんと殻の中に入れた水は沸騰した。耐熱性もあるから、それほど火力が強くなければ大丈夫みたいだった。

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