Sweet Love~極上に甘い恋~
でも何となく知っているような気がした。

優しそうな笑顔も、紳士な態度も、わたしは彼の何もかもを全部知っているような気がした。

「自己紹介が遅れましたね」

大森さんが言った。

「アタシは、大森雅彦です」

大森、雅彦…。

彼の名前を忘れないように覚えた。

「あなたは、乃南さん」

大森さんがそう言ったので、
「ノナって、わたしの名前なんですか?」

わたしは聞き返した。

「はい、そうです。

あなたの名前は、山中乃南って言う名前でした」

そう言った大森さんに、
「でした?」

わたしはまた聞き返した。
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