幼恋。
その日の夜
椛が帰ってくるのを今か今かと待ちわびて
やっと帰ってきたのはいつもより遅い10時。
「椛!」
椛が玄関を開けたとほぼ同時に声をかけると
椛は疲れたような顔で私を見る。
「なんだよ」
「あのね、クリスマスお泊まり会しようって話してて、椛と有澤くんも呼ぼうってなったんだけどどう?」
リビングに行く椛のあとを着いていきながらそう聞くと
椛は作ってあったご飯を食べながら少し考え込む。
「メンバーは?」
「私と叶ちゃんと架子ちゃんと旬佑先輩と裕太くん」
「裕太?松村?なんであいつがそのメンバーにいんだよ」
「文化祭から仲良いよ」
「はぁ…」
椛はもぐもぐ口を動かしながらもため息をひとつ着く。
「お願い、椛もいたらもっと楽しくなると思うから来て欲しいな…」
せっかくみんなで集まるなら椛も有澤くんもいた方が楽しいし、いて欲しい。
そう私が伝えると、椛は少し面倒くさそうながらもこくんと頷いた。
「奏斗には俺から言っとく」
「ほんと?ありがとう椛!」
椛はそう言うなり早速有澤くんに連絡を取り始めたのだった。
これで益々クリスマスが楽しみになってきたなぁ。