幼恋。
急いで私が玄関を開けると、嬉しそうにニコッと笑ってくれた谷くん。
「やっほ!部活帰りに寄ってみた」
「谷くん!家知ってたんだね」
「そ、部活仲間のおりはと同中のやつに聞いた」
「そうだったんだね!」
そう言えば部活何してるんだろう?
何となくサッカー部っぽいけど違うかもしれない。
「あ!要件は、連絡先交換しとこうと思って!
部活休みの日デートしよ?」
私が用事を聞くより先に谷くんはそう言ってスマホを取り出して、素早く連絡先交換を済ませてしまった。
手馴れた手つきだなぁ。流石人気者…。
なんて私が感心していると、ドタドタと足音がして椛が私の肩を掴んできた。
遅れて叶ちゃんも髪ボサボサでやってくる。
「おりは!なんだこいつ!」
「ごめんおりちゃん止めれなかった」
椛がまさに鬼の形相でやってきたのに谷くんは涼しい顔を崩さない。