入れ替わったら彼の愛情をつきつけられました。
「あ、あの……ご飯作るのとか、嫌じゃないの?」


「別に嫌じゃないよ。むしろ好きかな。陽菜に食べてもらいたいし」


そう言って笑顔を浮かべる大河に胸が痛む。


大河は陽菜がどれだけ怠惰に過ごしていても笑顔を絶やさない。


むしろそんな陽菜を見ることを喜んでいるようにも見えた。


「ほら、もう少し煮込めば完成だからね」


いつの間にかカレーのルーが投入されていて、いい香りが立ち込め始めていた。


それを見て、なんだか複雑な心境になる美緒は知らず頬を膨らませていた。


「どうした?」


「……カレーの前にアイスが食べたい」


「は?」


突拍子のない美緒の言葉にさすがの大河も驚いた。
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