いつでもキミが


記憶がないながらに謝ったけど、きっとそこで何かしでかしたに違いない……
なぜなら、はじめちゃんが時々変だからだ。

名前を呼んでもボーッとしてることがあったり、無理に別のことを考えようとしてる感じ。

自分が原因かはわからないが、あの次の日からおかしいことは間違いない。

そんな状態のはじめちゃんに告白したら、もっと混乱させるかも……と悩んでいた。

告白して私とは気まずくなってもしょうがないけど、バスケ部に居づらくさせることだけは避けたい。
はじめちゃんは優しいから、きっと気を遣ってくれるだろう。

「あ〜〜…どうしたらいいんだ〜…」

机に向かって項垂れる。
考えて悩んではずっとこれの繰り返しである。

今日から部活は夏休み明けまでなく、はじめちゃんに会おうとしなければ会えない。

夏休みが明けたら、絶対言うぞ!とは決意したものの、それは自分本位なんじゃないかと思ったら、他のことが考えられなくなってしまった。


「……ブブ……ブブ」

突然スマホのバイブの音がし、パッと顔を上げる。
めんどくさがりなので私のスマホは常にマナーモードだ。

画面を見ると、着信相手は母だった。
私は受話器ボタンを押し、耳にスマホをあてる。

しかしそれは、簡単に私を恐怖に突き落とした。



『…っ、繭!

鞠が…っ、鞠が車にはねられた…!』


「………………え」




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