天然お嬢と双子の番犬さん

学校生活開始




月曜日。



「…わぁ、」



目の前には制服姿の二人。眼鏡をかけて優等生感満載な和と棒付きキャンディを食べる不良感満載な湊。双子なのにこんなに違うんだぁ~ってぐらいの差。


いつもの着物やスーツじゃなくて、ラフな感じで凄く新鮮。

かっこよくて何も言えない私を見て、似合わないと思ったのか深い溜息をついた。


「…やっぱ無理があんだろ」

「ううん!似合う!凄く似合ってる!」

「…それもそれで複雑なんだけど」


二人共かっこいい。

チェックのズボンと緩めのネクタイ。
クリーム色のセーターもよく似合ってる。



でもどうしよう?


「かっこいいから、皆に注目されちゃうね。…それは、ちょっとやだなぁ」


折角今日から一緒にいられるのに。離れてくのは寂しい。どうしよう、彼女とか出来たら。今まで通り一緒にいるの躊躇しちゃうなぁ。


「…ッ、だから、そう言う事言うな‼」

「学校で言ったら、僕達暴れるからね?」


ええ!?なんか怒ってない!?何か不味いこと言った記憶ないけど!本音を言っただけですけど!?



「おーおー、似合ってるなぁ~…死ねッ‼」



何故かパパ御立腹。予想以上に似合ってたからだろうなぁ。

出掛ける前は全員が集まって見送り、それから必ず切り火をする。これが我が家のルール。


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