天然お嬢と双子の番犬さん(未更新)



「東雲弟の指を噛んだ。
東雲兄の所へ行かなかった。


あいつ等を拒絶した、お嬢が。



───受け入れられるとでも思った?」





ヒュッ、
喉の奥で音が鳴った。

締め付けられるような感覚や苦しさに、動機が早くなる。



耳を塞ぎ、その場に座り込んだ。



湊の指沢山血が出てた。
…私が噛んだから。


首筋を摩る。


まだ覚えている。
あの鉄の味を。


和が手を広げてくれた時だってそう。
怖いと…思ってしまった。



私が…自分自身で、



全てやってしまった事───、



拒絶した。
守れなかった。

二人から逃げてしまった。





そんな私を…和と湊が受け入れてくれるの?





< 371 / 476 >

この作品をシェア

pagetop