天然お嬢と双子の番犬さん
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花が見えなくなった頃、五十嵐竜二が口を開いた。
さっきの口調とはまるで別人のようだ。
「花には詳しく言ってねぇが…相当いかれた連中だ。誰が書いたか知らねぇが、花の字そっくりで書いてやがった。
あの言い方じゃ、一度出そうとしたんだろ。まあ不受理届はとっくに出してっからな。心配はいらねぇが…そんで、態々こっちに足を運んだってとこだろ。
…チッ、潰すにも相手の素性がイマイチ分かんねぇ。情報が足りねぇ」
「ルーフスって昔、親父が一人で潰したって言ってなかったっけ?」
和が言うと、竜二が大きな溜息をついた。頭を掻き舌打ちをする。
「ああ、俺が潰した。花が赤ん坊の頃だな。
同盟を組んでたが…問題ばっか起こしててな。話聞かねぇし、ムカつくから、勢いで壊滅させてやった」
「あー…お嬢おんぶしながら?」
「当たり前だろ!花がぐずったらどうすんだ!!」