どうしているの?ねぇ、先輩…



「学生なんて結局、なんもできねぇただのガキじゃん。1人で生きてくことも、誰かを守ることもできない」

「………」

「大学に行ったら、4年も長くそれが続くだけじゃん」

「そう、だけど…」


そう話す瞬ちゃんは、早く大人になりたいって言っているようで……

大人にはできることも、学生の自分にはなにもできない。

そんなことに、歯痒さを感じているみたいだった。


「それとも俺らがまだ10代だからダメなのかな?働けば大人になれるんじゃなくて、働いてたって10代は子供のままなのかな。学生でも、ハタチ過ぎたら誰かを守れるようになんのかな」


わかんねぇよ。

難しくて、わかんねぇよ……瞬ちゃん。


「瞬ちゃん、大学行かないで働く気なの?」

「………」

「まじで?」


俺ら3人の中で、瞬ちゃんは唯一大学に行くんだろうなって、勝手にだけど思ってた。

本人だって行く気だっただろうし、周りだってそれを疑っていなかったから。

でも3年になったこのタイミングで、こんな急に……


「大学行かないで就職する」

「、」

「って言い切って……有言実行できるぐらいの覚悟、俺にはねぇのかな」


迷ってるって、こと?

それとも、有言実行できない自分に、幻滅でもしてる?


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