どうしているの?ねぇ、先輩…




「……大ちゃん」

「?」



カラスの声が、瞬ちゃんの声に重なった。

夕暮れの光が、俺らの住む町を赤く染めている……



「俺、彼女できた」

「……」

「、」


大ちゃんと俺、2人同時に顔を上げて瞬ちゃんを見たけど。


瞬ちゃんと、目が合うことはなかった……



「カノ、ジョ……?」

「あずと別れてすぐ。俺から告白して、付き合ってた」

「……」



やっと大ちゃんに言えたのに。

その「カノジョ」は今、瞬ちゃんの傍にはいないんだ……



「あずと仲いい大ちゃんになかなか言えなくて……隠すみたいな形になっちゃって、ごめん」

「……」



大ちゃんが、じっと瞬くんのこと見てる。


目が合う事はなくても、ほんとにじっと。


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