どうしているの?ねぇ、先輩…



それから瞬ちゃんは、いつも、どこでも、なにをしても、全然笑わなくなった。


そんな風に笑わない日が続いたあと、落ち込むところまでとことん落ち込み終わったのか、徐々にいつもみたいに戻っていった。


いや、戻ったっていうよりも、もう二度と会えないかもしれない美香を忘れる為に、今度は無理矢理明るく振舞ってるって感じだったけど。


だって俺にはわかる。


いつも見てたから。


廊下で、学食で、玄関で、校庭で、渡り廊下で。


いるわけもない誰かを探すように、遠くを見る瞬ちゃんを……


俺はいつも、見てたから。



瞬ちゃんと大ちゃんがこの学校を卒業するまで、ずっと……




美香の面影をどこかに探し続ける瞬ちゃんを、


俺はいつも、何も出来ずに、ただ見ていたんだ……






そして……


瞬ちゃんたちが高校を卒業してから、3年の月日が経とうとしていた。



俺は20歳。


瞬ちゃんと大ちゃんは、21歳になっていた……



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