どうしているの?ねぇ、先輩…



瞬ちゃんの反応は分かりやすかった。


美香と、なにかあった。

なにがあった?


あの時間だから、生徒会でなにかがあった……てことでしょ?


「なんもねぇよ。七瀬が勘違いしてるだけ」

「勘違い?」


さっき一瞬俺の方を見た瞬ちゃんは、もうちゃんと前を見てる。

前を見てペダルを漕ぎ続ける瞬ちゃんのため息が、風に乗って「ふぅ…」って流れた。


勘違いって、なに?


昨日美香に聞いた話によると、「私は生徒会に必要とされてない」って。

「私がいなくても全然大丈夫」って、瞬ちゃんに言われたって。

そう言ってたけど……


「なにも役に立てなくて嫌われちゃう」って泣く美香は、本人は気づいてないのかもしれないけど……

あれって多分、好きってことでしょ?

美香は瞬ちゃんのこと、好きなんでしょ?


< 86 / 550 >

この作品をシェア

pagetop