分岐点  ~幸せになるために
6

みなとみらい駅で 電車を降りて

毅彦は 今日初めて 私と手を繋いだ。


黙って 毅彦を見上げると

照れた笑顔で 私を見つめ返す。


「沙耶香。高い所って 平気?」

「大丈夫だよ。」

「じゃ、あの観覧車に乗ってみる?」


12月とは 思えない うららかな陽射しの中

ゆっくり歩きながら 毅彦は 観覧車を指す。


「大きいね。あんなに高いと ちょっと怖いかも…」

「横浜全部が よく見えるよ。」


毅彦も私も おしゃべりな方じゃないけど。


無言の時間も 気詰まりじゃなくて。


毅彦と一緒にいて そういうことが 心地良い。


「ずっと昔、家族で遊園地に行った時。弟に 観覧車揺らされたの。あれは 怖かったなぁ。」


「俺も 揺らそうかな?」


クスッと笑う毅彦を ギュッと睨むと

毅彦は 愛おしそうな目で 私に微笑んだ。







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