分岐点  ~幸せになるために

年末休暇に 入った日。

毅彦は 私の部屋に 来た。


一日中 2人 まったり過ごして。


しばらくは 会えなくなるから。


「毅彦さん。お正月は どこか行くの?」

「寝正月だな。両方の実家に 挨拶行くだけで。」


「奥さんの実家も 近いの?」

「うん。同じ中学だから。」


「えーっ? そうなの?」

「あっ。でも 3才違うから。中学は 被ってないよ。」


「そうなんだ… どうして付き合ったの?」


「沙耶香 嫌じゃない? こんな話し。」

「ううん。聞きたい。毅彦さんが 嫌じゃなければ。」


「同級生の妹なんだ。」


「へぇ… 何か 意外。」

「そうかな?」


「じゃ お兄さんの紹介で?」

「いや。お互い 顔くらいは 知ってたから。妻が就職してから 地元の駅で 会うようになって。朝の時間帯が 同じだったんだ。それで だんだん 話すようになって。」


「へぇ… 何か 思ってたのと違う。」

「んっ? どんな風に思ってたの? 沙耶香は。」


「どうって… 具体的に説明できないけど。」


言い淀む私を 毅彦は 抱き寄せる。


毅彦が 積極的に 恋愛すると 思ってなかったから。


誰かの紹介とか お見合い的な感じで

結婚したのだと 勝手に思っていた。


でも 考えてみれば… 私だって。

いつの間にか 毅彦と 付き合っている。


毅彦が 恋愛に 消極的だなんて。

ただの 思い込みだった。


その上 奥さんのお兄さんが 友達なら。

毅彦は 絶対に 家庭を壊せない。






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