黒い花



少し沈黙の時間があった。


私はライ様の言葉を思い返していて、矢生校長先生は私を慈しむような眼差しで見つめている。

ライ様以外の他人と居て、初めて心地の悪いと思わない時間だった。


「…さて、そろそろ花城さんの担任が来ると思う。」

静かに口を開いたのは校長先生の方。

そうだ。まだ始まったばかりなんだから。

始まりから、初めて感じるものが思ったよりも多くて、今の時点で"無のクロネ"には戻れないことを感じていた。

そうしている中で、1人の気配が近づいてくる。

おそらく、私の担任と思わしき人の気配だろう。

そして、私が入ってきた時と同じように扉が叩かれ、その人は姿を現した。


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