囚われのおやゆび姫は異世界王子と婚約をしました。




 そんな事もあり、カーネリアは落ち着くまで結婚は待って欲しいと伝えた。
 もちろん、本を出す事で忙しかった事もある。
 けれど、カーネリアは決して彼との結婚を迷っているわけではなかった。それを何度も伝えているが、彼は納得出来ていないようだった。


 「じゃあ、今日は俺がカーネリアを貰うよ」
 「いつもあなたのもののつもりなんだけれど」
 「君は俺を喜ばせる言葉を知っているね」
 「本音よ」
 「では、今日はこのまま部屋に連れて行こう」
 「え、空の散歩じゃないの?記憶を戻すんじゃ」
 「違うよ。今日は、君を抱きしめて。俺は君が不足してるんだ」


 ラファエルこそ私を喜ばせる言葉を知っているのでは、と言うつもりだったが、その言葉は彼からの短いキスで消されてしまう。
 まさか、部屋でもない城の外でそんな事をされると思っていなかったのでカーネリアは頭が真っ白になってしまう。だが、彼はおかまいなしに、カーネリアを抱き上げると、魔法でゆっくりと飛びあがり、そのまま2人の部屋の窓から室内に入ってしまう。
 そして、言葉のままにカーネリアを抱きしめたままベットに倒れ込んだ。


 「ラ、ラファエルっ!まだ、昼間なのよ。お仕事だってあるんじゃ」
 「今日は朝一で全て終わらせた。俺達の邪魔をする奴は、許さないと伝えてあるから、今日は夜まで誰も来ないから安心してくれ」
 「そんな。王子の命令を使ったなんて」
 「たまにはいいだろう。俺も君もよく頑張っているだろう?」
 「ラファエルは頑張っているけど、私はまだまだ」
 「いいから、もう黙って」


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