囚われのおやゆび姫は異世界王子と婚約をしました。



 朱栞は高校の時から穂純に片思いをしていた。
 サッカー部に入っていた彼の姿を見た瞬間に一目惚れをしてしまい、マネージャーになった。本当ならば語学の勉強に集中したかった朱栞だったが、彼と知り合いになりたい、話をしてみたい、そんな気持ちだけは押し殺せなかった。
 けれど結果的にはマネージャーになった事で勉強も頑張れたと朱栞は思っている。
 部活の先輩として彼と知り合ってから知ったことだが、彼は両親が有名企業の社長の一人息子だった。成績も優秀で学校内での成績は毎回1位であり、全国でも20位以内には入るという天才だった。そして、サッカーでは1年生の時から選手として活躍するほどで、容姿も整っている。そうなれば、女の子達が夢中になるのも無理はない話だった。穂純が部活の練習をしていると、彼を一目見ようと練習を見学をする女子高生が多数見られた。
 そんな中、朱栞はよく穂純から話を掛けられる事が多くなっていたのだ。その理由が、朱栞の語学が堪能だったからだ。英語は日常会話以上に社会で通用する程度には話す事が出来ていた。穂純と勉強の話をした時に、他にもスペイン語を勉強中と話すと、「英語、苦手なんだ。教えてくれないか」と、先輩がよく声を掛けてくれてくれるようになったのだ。
 成績優秀な先輩に教える事はないと断っていたが、それでも「文法は出来ても発音がな。あ、部活中は英語で話そう」と言い始めたのだ。
 それから、穂純と朱栞が部活で会話をする時は、英語を使うという妙なルールが出来上がっていたのだ。



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