僕は君を追いかける。
「あのさぁ、西之谷さんさっきの彼のこと知ってる?」

この人たちこの前私のこといじめてきた先輩だ。
「私は知りませんけど、
なんですか先輩たちは盗み聞き?
たち悪いですね笑」

「彼、サッカー部のエースよ!
いい加減にしてよ
あなた一人のものじゃないの、
彼はみんなのものなの!」

「さっきから彼のこともの扱いしてるじゃん。彼はみんなのものでもないし
私のものでもないよ?それわかってる?」

図星をつれたのだろう逃げていった。
サッカー部のエースってことは
3年の佐々木晴先輩のことだろう。

同じクラスの子たちが彼を見てきゃあきゃあ騒いでいた気がする。

教室に戻ると、雨宮陽(アマミヤヒイロ)が待っていた。
陽は私の幼馴染みたいな感じで幼稚園の頃からの仲だ。

「陽、帰るよ。」

「百合、遅かったな帰ろっか。」

そして二人で教室を出た。
陽は私が女子からいじめられていることを知っているし、男から絡まれやすいことも知っている。
だからこうして一緒に帰ってくれる。
申し訳ないと思ってるけど、陽には感謝している。

「陽ありがと、また明日」

「うん、またな。」
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