【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 「うう……。気持ち悪い……」

 「大丈夫?朱鳥?」

 麻美が優しく背中をさすってくれる。

 「うん……。ありがとう、麻美……」

 「全然、こんなのどうってことないわよ」

 麻美の優しさが身に沁みてしまって、本当に麻美が親友で良かったと思った。麻美に、那智さんと結婚することになったと話した時も、麻美は泣きながら自分のことのように喜んでくれて……。

 〈おめでとう。幸せになりなね!〉と祝福してくれた。もちろん赤ちゃんを生むことも応援してくれて、赤ちゃんが生まれたら抱かせてねと言われている。

 もちろん、わたしが最初に赤ちゃんを抱かせるのは、麻美に決まってるけどね。麻美はわたしの親友で、わたしのよき理解者だから。

 ただつわりが始まってからは、まともに動くことが出来ずにいた。横になることしか出来ず、食事もまともに作れずにいた。
  
 何を食べても吐いてしまって、体が受け付けないのだ。つわりってこんなにも辛いのか……。とつくづく思い知らされる。

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