BLADE BEAST
I love you.
──────真っ暗な部屋。ラグ調のライト。

暗闇の中で暖色がぼんやりと光を浴びる魅惑的な空間で、その天井には無数の"星"が散りばめられていた。




「眞紘」

「…ん」




セミダブルのベッドの上。その上で腰を下ろしている眞紘の足の間に、私の身体はすっぽりと埋まっていた。胸の下に回るのは彼の腕。

首元に寄せられる顔。吐息ももろに感じられてしまうほどの近さっていったらハンパじゃなく、眞紘はいかにも当たり前のように私をさらに引き寄せる。

甘い甘いホワイトムスク────ここは、眞紘の部屋。





初めて来る、眞紘の部屋。

懐かしいのあるから、と家庭用プラネタリウム機を出してきた彼は、おもむろにつけ始めると私をベッドの上へと誘った。

………で、これだ。

とてつもなく甘い返事しか返ってこないし、まるで私という存在を確かめてくるように身を寄せて抱き締めてくるのだから、胸が締め付けられる。

体育座りになる私の足に自分のそれを絡ませてきたり、たまに首元に唇を寄せてくるから…プラネタリウムなんて見れたもんじゃない。




そして、ふと、思った。
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