BLADE BEAST
───…一言で言うならば、私の親はかなりの不仲だ。




ただ、それだけ。

だからこんな捻くれた性格の女が生まれてきてしまったのかもしれないし、もともとこうなる運命だったのかもしれない。

不特定多数の女を連れて回るような彼氏であっても全くもって平気なように、ただのクラスメートに突然キスされても、平気なように。




暖かい朝ごはんなんて無くたって。

学校から真っ先に帰ってきても誰もいなくったって。

例えば"美容室行ったの"とか、些細な変化を話す相手がいなくったって。

好きな食べ物を当たり前のように覚えていて、それを作ってくれることが無くたって。





──────別に、大したことは無い。






そう思いながら忙しなく制服に身を包んだ私は、静か極まりない家を後にした。
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