仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。



 スーパーから帰宅すると、もう12時が過ぎていて冷蔵庫の中に買ったものを入れて軽食を食べてから今日の夕食の準備を始める。


「ロールキャベツ久しぶりだなぁ……コンソメにしようか、和風だしにしようか、トマトにしようか」


 あっさりしている方がきっと蓮司さん好きだよね。和食が好きだって言っていたし、和風だしでスープ作ろう。今日はちゃんと蓮司さんと話がしたい……し。



 ***


 ロールキャベツを煮込みながらデザートのレアチーズケーキを作っていると、ご飯が炊けたのを確認する。


「よし……美味しい」


 スープの味見をして鍋の火を切ってからサラダの準備を始めようとした時、スマホがピロンっと鳴ったので画面を確認すると【メッセージ1件あり】と表示されていてタップをするとメッセージの相手は蓮司さんだ。


【今日はご飯はいらない。先に寝てていい】


 ご飯、いらないかぁ……これって避けられているんだろうか。私が蓮司さんの提案を拒絶してしまったから、もう会いたくないということだろうか。


【分かりました。先に休ませていただきます】


 私はそれに返信をするとスマホをテーブルに置き、ご飯を冷凍するためにラップを棚から取り出した。
















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