仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。



 休むことなく続けられるキスに私はクラクラして逃げようとして離れようとするけど、蓮司さんに私の顎をグイッと上げられ逃げないようにと再び唇を重ねられる。


「咲良」


 彼の声はとても色っぽくてドキドキが加速する。彼の指が耳に触れ「あっ」と甘い声が出てしまう。


「……もう、我慢できない」


 そう言った蓮司さんは私を横抱きにすると寝室へと向かった。ベッドの上に横にされて蓮司さんが上に覆いかぶさるように唇を重ねる。


「……っんぁ……っ」


 自分じゃないような声が漏れて恥ずかしい。やだと思っているのにもっと触れてほしくてたまらなくて彼を自分から抱きしめ返す。


「咲良、俺は心の底から愛している」


 あぁ……“後継者”か。そのためにそう言っているんだと思い私は彼を受け入れた。

 そして一線を超えたそれから1ヵ月後……私は。


「……え? 嘘でしょう……っ」


私の持っている検査薬の窓にはくっきりと線が入っていて、それは妊娠していると示していた。









 





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