溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
***

「部活終わったら話がある」


「なに?」


バッシュの紐を結びながら、嶺亜が顔をあげる。


こうなったら、まずは周りから攻めていくことにした。


「いや、部活が終わってから」


攻めるなんていやらしいが、嶺亜の妹なんだし、ちゃんと嶺亜に宣言しておいた方がいいかと。


黙っていて、俺たちの友情にひびが入ってもイヤだし。


乃愛に告るわけじゃないのに、すげえ緊張する。


友達に好きな女を打ち明けるのとは、ちょっと違う気がする。妹だしな。


こう見えても乃愛のことは大事にしてそうだし、急に敵対視されそうな気がしないでもない。
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