溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

指が当たった感覚じゃなかった。もっと、硬くてとがったもの。


思わず、その場にしゃがむ私。


「ってえなあっ!」


金髪男子は、そんな私には気づかないのかオールバック男子に向かっていく。


痛いのは私なんですけどぉぉ。


ドカッ! バキッ!


殴り返している音が聞こえてくる。


ひぃぃぃ、怖いよお~。


耳をふさいで、その場にしゃがみこんだまま動けない。


でも早くここから立ち去らなきゃ。


また次の波に巻き込まれたら困るもん。


そろそろと立ち上がろうとすると、重力に逆らうように突然体が軽くなった。

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