誘惑じょうずな先輩。


涼しげなモカ色の瞳。


まったく動じないのは、どこかの先輩とおなじ。

だけど、関わったらいけない、
そんな危険な匂いがするのは夏川くん。



「そういうの……、」



……って、どういうの?


はて、と首を横に落とすと、夏川くんはなにやら納得したように頷いた。


それから、なにか考えこんでる。



「だから、か……」



「え?」




「いや、なんでもねえ」




にこ、と謎のキラキラスマイルを向けられて、口をつぐむ。



男の人って、よくわかんない。


なに考えてるのか、わかんない。



……万里先輩がいちばんわかんないけど。






「香田さんってさー、不良ってどう思う?」


「ふ、ふりょー……?」



「そ、煙草吸ったりバイク乗ったりしてるあれ」


「ええ……」




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