またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「リリカちゃん、萌奈のこと心配してくれてたわよ」

母が微笑む。

「心配……?」

「えぇ。せっかくきてくれたんだし、出てみない?」

母が戸惑う私の背中を押した。

「うん……」

躊躇いながらも、私は頷くことしかできなかった。

階段を降りて恐る恐る玄関にいる人物に目を向ける。

そこにいたのは紛れもなくリリカちゃんだった。

目が合うと、リリカちゃんはいつもと同じようにキラキラした笑顔を私に向けた。

「萌奈、急にごめーん!連絡つかなくて心配になっちゃってきちゃったよ」

「え……?」

「あたし、何回もライン送ったんだよ?電話もしたの。なのにでないからさ」

「あ、ごめん……。スマホ見てなくて……」

リリカちゃんと目を合わせることができない。

教室でリリカちゃんのことを無視した罪悪感が今になって胸の奥底から沸き上がってきて目頭を熱くさせる。

「傘、貸すって言ったのになんで使わなかったの?」

「自分の傘、持ってたから」

「なんで嘘つくの~?あたし、見てたんだから。萌奈が傘ささずにダッシュで校門に向かってるところ」

「え……」

絶句した。どうしてそれを。
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