こんなにも愛しているのに〜すれ違う夫婦〜
えっ、今なんて言った?

「あなたと付き合い始めてから20年は経っている。夫婦になってから16年。
あなたの全てがわかっているつもりはないけど、
私が知っているあなたらしかぬあなたを
見ている気持ち。
私たちはこのままやっていけないと思う。
私はましろを守らないといけない。
離婚しよう。」

「離婚だなんて、俺は絶対に嫌だ!」

「嫌だと言われても、あなたは私たちより彼女を選んだんでしょう。
自分が辛い時の癒しになったのは彼女なんでしょう。それが答え。。。
よく考えるまでもなく、あなたがその彼女の手を取ったのよ。
私たちではなく。」

「。。。。。」

茉里の口から出た離婚という言葉に
俺の頭の中は真っ白になった。

「今日はもうおしまいにしよう。
これ以上は話せない。
きっとましろも眠れなくて起きていると思うから。
私は和室で寝るから、あなたは自分でご飯を食べるなり寝るなりして。」

茉里は俺を拒絶の姿勢でリビングを出て行った。

俺は
あの日からずっと茉里だけを愛している。
娘のましろを愛している。
斉木は気にかけている部下で女として愛しているのとは違う。

二人で食事に行ったのが浮気なのか?
レストランの予約をして食事に行ったことが?
ホテルの前でましろに見つかったが入ってはいない。

身体の関係なんてなかった。
なのに
浮気なのか?
俺は茉里を裏切ったりしていない。

離婚とか冗談じゃない。
俺は茉里と一生共にしたい。
一生共にしたいから結婚したのに。

じゃぁ
なぜ斉木とホテルの前にいたんだろう。

俺はどうするつもりだったんだろう。
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