薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
3・純の長い睫毛もさわさわと揺れている
「晴れてよかったね」
 まだ6月だというのに、気温が高い日が続いている。
 半袖でもいいくらいだ。
 もうすぐ梅雨に入るというこの時期、私は純と動物園に来ていた。
 純とデートなんて、珍しいことだ。
 だけど、私から誘ったんじゃない、彼の方から言ってきたのだ。
 気分転換にどっか行かないか、と。
 気分転換がしたいのなら、生き物からエナジーをもらおう、という私の提案でここに来た。
 チケットを切ってもらい、私たちはゲートをくぐった。
 おおーん、おおーん。
 どこかで何かが鳴いている。
 私はぞくぞくしてきた。
「動物園なんて久しぶりだ」
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