アスミルセカイ

「おーい、春樹!チーズドック売ってる!!春樹の主食が売ってるぞー!」

「うるせえな、朝陽。お前部長なんだから、部員のことも少し考えて動けよ」

「おいおいー、そんなこと言っちゃうかー。俺は春樹だから任せられるの!好きだ!」

「マジでキモいからやめてくれ」

明るくて耳に響く大声。
聞いたことがある声。
私達は目を合わせ、恐る恐る振り返る。

「あれ、未来」
初めに気が付いたのは春樹くんだった。

「どした、春樹。…あ、ほんとだ。偶然」

朝陽くんと春樹くんは私達のところへやってくる。
「なんでいんのよ」
未来がタピオカを飲みながら聞く。

「部員全員で仲良くなる為にって朝陽が企画したんだけど、結局こいつに振り回されっぱなし」

「いや、しっかり部長やってる」

「嘘つけ!さっきだってどこいったと思ったら1人プリクラしてたじゃねえか!」

「春樹は頭がお堅いなー」

「こいつの将来が心配だ」

(休みなのにこの2人いると学校にいるみたいだなー)
「よし!」
何を思ったか朝陽はスマホを取り出し何か打っている。
すると打ち終わった瞬間、部員の全員が散らばり始めた。
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