婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「そう。ハロルドはいいパパなのね」

「うん!!」

番であるハロルドを褒めれば、まるで自分が褒められたとでもいうように、嬉しさからピョンピョン飛び跳ねるチェリー。相変わらず、とっても可愛い。



「仔ウサギちゃん達は、人型にならないの?」

ふと疑問に思って聞けば、チェリーが自慢げに教えてくれる。

「うんとね、小さいうちはこの姿のままなの。もう少し大きくなると、人型にもなれるけど。最初のうちは、耳だけウサ耳とか、しっぽが出ちゃうとかあるよ」

「へえ」

なにそれ。相当可愛いことになりそう。


妻と子どもがピョンピョン跳ねる様を、ハロルドがにこやかに見つめている。羨ましいぐらいの仲の良さだ。




< 240 / 260 >

この作品をシェア

pagetop