白いジャージ ~先生と私~

『今でも、正しい選択だったかどうかわからない。逆に彼女を苦しめることになったのかもしれない。』


新垣を責めたかった。

どんなことしても、直を守りなよ・・って。

あんたは、逃げただけだ・・って。


でも、あまりに元気のないその声には、葛藤や後悔がたくさんで・・

とても責めることはできなかった。


『卒業まで、直を放っとく気?』



・・・

『矢沢からの・・・電話を・・ずっと待ってる俺が・・・いるんだ・・』


『バレるかどうかなんてわかんないじゃん!!言い訳なんかいくらでもある。いざとなったら、私があんたの彼女だってことにして、直は彼女の妹だって言えばいいじゃん!!』


めちゃくちゃだけど、私は必死だった。

せめて、まだ愛していると・・直に教えてあげたかった。


『ありがとう・・。もし、また矢沢が俺に頼ってくれたら・・ちゃんと受け止めようと思う。』




電話を切った後、私は直の寝顔を見ながら涙が出た。


昔のまんま・・


直が生まれた時も、こうして私はずっと直の寝顔を見てたんだよ。

直は知らないと思うけど。


直の誕生を誰よりも喜んでたんだよ・・




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