白いジャージ ~先生と私~
家の前まで来て、先生はバックミラーで髪を整え、

「お前のお母さんに会うんだからちゃんとしないとなぁ。」

なんて冗談を言う。

セットするような長い髪でもないのに・・・。


先生と私が玄関へ入ると、お母さんはもう泣いていなかった。

3分くらい立ち話して、先生は爽やかに帰って行った。


「先生、ありがと。」

車まで見送る私は、少し晴れやかな気分だった。


「おう!美人な母ちゃんだな!!夜景は・・また今度な!」


先生は、窓から手を出して手を振ってくれた。

満月が、私を見守ってくれているようだった。

神様からの贈り物かな・・今日の出来事は。


当分は、先生のこと考えて眠れそうもない。



夜風に当たりながら、すっきりとした笑顔で月を見た。




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