白いジャージ ~先生と私~

「ねぇ、クリスマスプレゼントは?」

お姉ちゃんが微妙な沈黙を破る。


「え・・??あ・・・忘れた・・ごめん。」


あわあわする先生の顔がとてもかわいかったんだ~。

だって、普通なくて当然でしょ・・お姉ちゃんにプレゼントなんて・・!!


「わしには・・ないのか?」

お父さんまでもが冗談を言い、台所でコーヒーを入れているお母さんは、


「あなたったら・・!!」


と、笑いながらお父さんを見る。



「お母さんから、君の話はよく聞いてる。いつかお礼を言おうと思ってた。君はとても素晴らしいクリスマスプレゼントを、我が家に運んでくれた。わかるか?」


お父さんは、じっとテーブルを見つめたまま、真剣な表情で話す。

お父さんのこんな姿は見たことがない。

仕事人間だったお父さんに、反発したこともあったけど、

仕事してるお父さんはきっと・・こんな風に立派な雰囲気なんだろうなぁ・・


先生は、黙ったまま首の後ろを触る。

照れたときによくやる癖。


「この時間だよ。英語で言うと、TIMEだ。」


えぇ~~!!!!

いい話なのに・・どうして・・英語で言うの??

訳わかんないよ、お父さん!!

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