白いジャージ ~先生と私~
「お前の家族、最高だな。俺、殴られるの覚悟だったんだけど・・安心した。お父さんめちゃめちゃ面白いし!」


私は、またお父さんの『タイムとは・・』を思い出し、笑ってしまう。


「俺、思ったよ。お父さんの言葉には、重みがあるなぁって。やっぱり、仕事忙しくて家庭をあまり見れなかったことを後悔してるんじゃないかな・・だからこそ、今すごい愛情たっぷりじゃん。」

「そう・・?」


「あんなパパいないぞ!お前の好きなように恋していいと言ってくれるのは、お前の幸せを考えてるから。今日遅くなっていいからって言ってくれたのも、お父さんの最大の愛情表現だよ。」


「そっか・・そうだよね。自由にさせてもらえるって幸せだよね。」


「俺・・養子に入っちゃおうかなぁ・・?」


何気なく言った先生の言葉が・・

私の胸の『先生から言われた嬉しい言葉フォルダ』に

ちゃんと入れられてるんだよ・・先生。




海までの1時間、先生と家の家族話で、盛り上がった。


少し前の曲がかかるたびに、


「あ・・懐かしい・・」


そう言って、遠い目をする先生に・・すこしだけ不安になったり。



仕方ないこと・・わかってる。


先生の過去を知らないのは当然で、

私と出会ってない頃の先生の恋愛を気にしても

ばかだってことも。


でも、気になるよね。

この曲好きだ~って言う先生の声聞きながら、


先生は、この曲を誰とどこで聞いてたんだろ・・なんて


思ってしまう。


私は・・・子供だな。




そんな私の頬に触れ、


「どした?」


って言ってくれる先生は、


私の不安を消し去ってくれる。



私、すぐ不安になるよ・・先生。

すぐ・・・やきもちやいちゃうよ・・



でも、そのたびに


その優しい手で、


優しい目で・・



私を安心させて。
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