白いジャージ ~先生と私~

食事は、おばあちゃん一人。

会話もほとんどない。



おばあちゃんは、欲しい本や物があると

お母さんに手紙を書く。


一緒に暮らしているおばさんに頼むことを、遠慮しているから。


そんな悲しいことがある?



おばあちゃんは、毎日毎日私達に何かを作ってくれる。


送られてくるダンボールの中には、

おばあちゃんの愛情たっぷりな、ティッシュカバーや、化粧ポーチ、さまざまな袋が入ってる。


時間が

たくさんある。


おばあちゃんには、他にすることがない。



誰かと仲良く楽しいおしゃべりをしたり、一緒にお饅頭を食べたり、


そんな時間があっても

いいじゃん・・



同居してるおばさんは私には優しい。

でも、目の奥が

笑っていないって思うことがある。



私達がいると、おばあちゃんに優しいようにも見える。



でも、そんなことで

私達は誤魔化せない。


おばあちゃんの部屋には、花一つ飾られてない。


他の部屋には、お花を習っているらしいおばさんの生け花がたくさん飾ってある。


おばあちゃんの部屋の電気は、薄暗い。


リビングの電気は

シャンデリアのような明るさ。


おばあちゃんの部屋は、少し離れた場所に作られてある。

おばあちゃんが

そこから大声を出しておばさんを呼んだとしても・・

聞こえない距離。


おばあちゃんは絶対に呼ばないと思うけど・・



< 152 / 480 >

この作品をシェア

pagetop