白いジャージ ～先生と私～

駅前に先生の黒い車が停まってる。


私たちをバックミラーで確認した先生は、さっと車から降りて一礼する。

先生と目が合った。言わなくてもわかってくれているような気がして体の緊張が解けた。


落胆した私たちの表情を見て、先生も笑顔を抑えた表情をしていた。


「送ります。ご迷惑でなければ。」


「いいのか？助かるよ。すまないなぁ。」

お父さんの手荷物を先生が持つ。



家までの道のりは、長く感じられた。


流れる洋楽は、なぜか明るい曲ばかりで

救われた。



「めし、くうか？」


ぶっきらぼうなお父さんの優しさ。


先生は最初、遠慮して断った。

今日は、自分がいないほうがいいと思ったんだと思う。

お姉ちゃんが言った。

「あんたももう家族なんだから、私たちの面倒見てよ！！」




みんなで近所のうどん屋さんでうどんを食べた｡


とろろうどんを全員で食べた。


おばあちゃんが好きだった、とろろ。



この時食べたうどんの味は

一生忘れられないだろう。



おばあちゃん・・・



私たちは

おばあちゃんを忘れない。



おばあちゃんの笑顔

生き方

優しさ

強さ


忘れないからね！！