白いジャージ ~先生と私~
私は、小さな子供がお父さんに向かって飛びつくように、先生に向かって突進した。


「せんせぇ~~~!!!!」

あまりに勢いの良いダッシュのせいで、止まるのが大変だった。

もう少しで先生にぶつかっちゃうくらいの勢いだった。


「廊下を走ってはいけませ~ん!罰として、補習追加!!」

先生は、わざとらしい先生口調でそう言った。

「追加?補習??やったぁ!!」

思わず本音が口から出ちゃった私に先生は優しく笑う。


「補習の追加、嬉しいの?じゃあ、罰にならないなぁ。」


「ううん。補習すっごく辛い、嫌だ、すごい罰です・・」

どうしても本当に補習追加して欲しくて、精一杯演技した。

下手くそな演技、見破られてるのはわかってたけど・・。


呆れたような顔で先生は大きく息を吐いた。


「じゃあ・・・夏休みの間に、一日だけ補習追加な!2人きりでみっちりしごいてやるからな。」


先生・・・?

本当に?2人きり??


嬉しいよぉ・・・また涙出そうだよ。

先生を好きになってから、涙腺が緩みっぱなしだよ。


「・・・ってのは、嘘で・・・こないだの穴埋め・・」


先生は、首の後ろを触りながら、少し照れたようにそう言った。


「え??穴埋め??」


何のことだかさっぱりわからない私。


「だからぁ・・・夜景だよ、夜景!!」


嘘・・・!!!!



「じゃあ、早く宿題終わらせとけよ・・!」


先生は、早足に廊下の角を曲がって行った。


私はさっきまで先生がいたその場所をなかなか離れられなかった。


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