白いジャージ ~先生と私~

雨は止んで・・

うっすら虹が出る。


まるで


2人をつなぐ橋のように・・



駅までの道で

私とゆかりと依子は


初めて本音で語り合った。


みんな一つずつ秘密を告白した。



依子から聞いた。


さっきの男性は

血の繋がらないお父さん。

小学校の頃まで一緒に暮らしていた人。

その人が突然消えた日から

誰も信じないようになった・・と。


唯一、家に残されていたお父さんのパンツを

お守りにしていつも持ち歩いている・・と。


またいつかめぐり合える魔法のパンツ。



約束してた日曜参観の日にお父さんが消えた。

お父さんを探すために何度も何度も教室のうしろを振り向いた。

お父さんは来なかった・・と思っていた。

だけど、依子の見えない場所からちゃんと見ていたんだ。


良かったね・・依ちゃん。





ゆかりは

龍のことが好きだった・・と依子に正直に話した。

だから・・大事にしてよね~!!と笑った。


私は、

ゆかり以外に言うつもりはなかったのに

なぜか

その時

依子は信じられると

感じて・・


先生が好きだ・・と言った。



「知ってたよ・・」


と軽く流されたけど



本音をぶつけた私達は

心が軽くなったような不思議な気分だった。





小さく芽生えた3人の友情のように


空に架かる虹が濃くなっていく。
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