白いジャージ ~先生と私~

「でも、まだ全然しゃべったことないんだよ~!こないだも笑ってただけだし。でも、修学旅行のおみやげ絶対渡したいから・・次の約束もしたい・・」

今思えば、たっくんも彼女と別れたばかりで・・寂しくて、私を好きになってくれたんだと思う。


どうかゆかりの想いが届きますように・・・



明日の修学旅行の用意をしながら、今頃ゆかりは・・・って想像してドキドキしてた。


ピロピロピ~♪

非通知で携帯に電話が鳴る。

ゆかりが公衆電話からかけてきたのかなぁ・・


『もしもし・・』

『もしもし・・新垣と申します。』


きゃ!!


先生だぁ~!!


今日は明日からの修学旅行の会議があるから電話できないって言ってたのに。


『先生~~ありがと!!それ、学校の電話?』

『はい、そうです。』

『先生・・声聞きたかったよぅ!!大好き!!』


受話器の向こうの少し気取った先生がかわいい。


『先生・・私のこと好き?』


『・・・・・・・・・・・』


『ちょっとぉ!!言ってよぅ。』


『はぁ・・・まぁ・・・そうですね。その方向で・・』


『ぷぷぷぷぷぷ・・・先生おっかしい!!その方向ってどの方向?』

『それでは・・失礼致します。また明日よろしくお願いします。』



プチ・・



先生めちゃめちゃかわいすぎる!!!!


忙しい合間に、ちょこっとした先生の優しさ。

すご~く嬉しい。

最近毎日遅くて、寝不足だって言ってた。

大丈夫かな・・


明日から・・いっぱい思い出作ろうっと!!


私は、何泊するのかって突っ込まれそうなくらいの大荷物の横で

ゆっくり眠った。
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