白いジャージ ~先生と私~
なんとかリフトに乗れた私は、リフトから先生を捜す。


目立つニット帽は、どこにいても見つけられる。



あ!


発見。



しかも止まって、私を探してくれてたんだぁ。


嬉しくてまた泣きそうになる私。


リフトからの眺めは最高だった。


でも、高い場所まで行けば行くほど、そこから下りなきゃいけないんだよね。



「ゆっくりでいいから滑ってくださいね。やばいと思ったらとにかくお尻からこけてください。」


コーチ・・・


そんなの無理だよ。



少し滑ったところで、早速こけた。


みんなが先に行くのが見えて心臓がバクバクして、焦って起き上がろうとする。


キャーーー!




ゴロゴロ



ドーーーン




私は小さな谷間に落ちたようだ。


はぁ。


けがはないけど、ここからはい上がるなんて無理。



ゆかりにメールして、コーチに助けに来てもらおっと。


ぎゃ!!



当たり前だけど、圏外だった。


涙が溢れて、先生の顔とおばあちゃんの顔が交互に頭に浮かぶ。



叫ぶ元気もない私は、そのままじっと座ってた。



滑ってる人からは見えない場所で、私を見つけてくれることは不可能に思えた。



おばあちゃーん・・


せんせー・・・



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