白いジャージ ~先生と私~
涙でぼやける先生に
『キライになった』
と言わなきゃ。
言わなきゃ。
だけど、
言えないよ。
「先生・・・愛してる・・だけど、別れて・・」
「誤解すんな・・・!!」
握られた左手は、
先生の右手の震えを
感じる。
「私、やっぱり無理だから。先生は、娘さんとそのお母さんと生きていくのがいいんだよ!!!!」
初めて払いのけた手は
悲しみで泣いている。
誤解じゃないよ・・・先生。
受話器の向こうから聞こえた元カノらしき人の声。
『別れたから・・和人一緒に暮らさない?』
何も答えなかった先生は、
きっと頭の中で
家族三人の幸せな家庭を想像したはず。
私の存在が
先生の返事をできなくさせてるんだ。
先生には、新しい道が
できたんだよ。
早く気付いて・・・