白いジャージ ~先生と私~

「おぉ!!かなり綺麗になったなぁ、お疲れさん。」

もう時計は、5時半を過ぎていた。

あんぱんで休憩してから、2人で無心で片付け頑張ったんだ。


先生は、体育の日誌の整理をしたり、資料をまとめたり。

私はボールを拭いたり、掃除機かけたり。

時折、先生が声をかけてくれた。


「矢沢、掃除好き?」

とか

「お前、片付けのプロだな」

とか。


たまにこっそり先生を見る。

真剣な目で仕事してる横顔に、好きだよって心の中で囁く。


夕日のよく見えるこの部屋。

オレンジ色に輝く先生の横顔・・・

先生は、毎日ここでお仕事してるんだね。

何を考えながらここで夕日を見てるのかな。

誰を想っているのかな・・・



先生、寂しい目をしてる。


初めて声をかけたあの廊下での先生の目が忘れられないんだ。

誰かを想ってる目。

寂しそうな、切ない目。


気のせい?


違う。

先生に恋をしてるからわかるんだ。

先生が誰かを想ってる目。


時々、遠い目をする先生。


先生を抱きしめたいって思っちゃうような・・・そんな目。


< 34 / 480 >

この作品をシェア

pagetop