白いジャージ ~先生と私~
教官室には、さっき話した知らない先生が一人だけいた。


なんとなく・・ホッとしてる私がいた。


2人きりになることは・・


嬉しいけど

怖かった。



「水泳のとこと・・バトミントンのとこだけ何か書いて。」


先生の椅子に座らされた私は、


上から覆いかぶさるようにしてノートを指差す先生に


ドキドキして


心臓が飛び出そうになってる。



水泳・・・??


書けないよ。



水泳を思い出すと、先生との補習授業を思い出すじゃん・・・



『クロールと、背泳を教えてもらいました。休んだ人は夏休みに補習がありました。』


それだけ書いた。


「続きは?」


先生の腕が私の肩に当たる。


そこに神経が集中してる。



「補習の内容は?」


先生は、少し小さな声で耳元で囁く。


懐かしい・・・この感じ。


昔のまんまだ。



まだ付き合ってるみたいだね・・・今だけ・・・錯覚していい?


『補習の内容は、夜景』


私の書いた文字を見て、くくくって笑う先生。



私のシャーペンを取り、先生が書き足す。



『更衣室でエロエロ補習!!!』


「もう!!先生ったら!」


見上げた私の顔のすぐ近くにくしゃくしゃに笑う先生の顔がある。


泣きそうになったけど、それ以上に嬉しかった。


またこんな冗談言ったりして笑い合えるなんて・・ね。



柔軟体操をしてる先生の視線を気にして、先生は私から離れた。

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