白いジャージ ~先生と私~

「ちょっとぉ!!!!!びっくりして声出そうになったよ、私!!」

依子が駆け寄ってくる。


「マジ・・・心臓止まるかと思った!!」


ゆかりも興奮して、私の肩を揺らす。



私は・・・というと


「・・・どうしよぅ・・・嬉しいよぅ・・」


嬉し涙がこぼれた。



これからは


探さなくても


毎日 会えるんだ。




先生の顔


毎日見れるんだ。



先生の声


毎日聞けるんだ。




先生・・・


生徒としてでいい。


生徒としてでいいから


先生とたくさん思い出作って


卒業したい。




家までの帰り道・・鼻歌なんか歌っちゃって・・




家に向かう坂道に咲くオオイヌノフグリがとても綺麗だった。


春風が気持ちよくて、空を見上げた。



薄いブルーの空に

細い雲が たくさん浮かんでる。



近くの小学校から聞こえる縦笛の音色が


風に乗って


どこまでもどこまでも


届きそうだった。




おばあちゃん・・・


私、先生のクラスになったんだ。


念願の新垣学級の一員なんだぁ。


まだまだ先生のこと、先生として見れないんだけど


きっと卒業式までには


先生のこと 思い出に出来るから・・



おばあちゃん・・見ててね。


私の青春・・


私の高校生活最後の1年を・・


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