白いジャージ ~先生と私~

空を見ているうちに


4人ともしんみりムード。




その時、向かいの廊下を歩く


大好きな人の姿。




大きなその背中に


ついていきたい。



大きなその手に


どこかに連れて行って欲しい。



その背中に乗って


飛んでいけそうだって思う。




だけど、今の私


なんにもない。



先生の背中についていくだけじゃだめ。


先生の手に引っ張られるのを待っていても

道は開けない。


背中に乗っても、ただそこを回ってるだけで

私の行きたい場所へはいけない。




こんなからっぽな私じゃ、先生から卒業なんてできないよ。



ちゃんと歩かなきゃ。


ちゃんと考えなきゃ。


いつまでも甘えてちゃダメ。


いつまでもこの高校が守ってくれるわけじゃないんだ。



いつかこの巣箱から巣立って

一人で翼を広げて


飛び立たないといけない日が来るんだ。
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