白いジャージ ～先生と私～
先生は私の目の奥をじっと見た。

「ありがとな。俺も、お前のことは特別大事な生徒だって思ってる。」


欲しかった言葉、ずっと欲しかった言葉をくれた。

暗い車内に、ラジオの文字の緑色だけが浮かび上がる。


『特別』・・・


『特別』って言ってくれた。



私は胸の奥が締め付けられるような喜びを感じて、外の景色を見ながらまた涙が出た。


先生は黙ったまま、車を夜景の見える場所まで走らせた。


そこは、誰もいない場所。


どうして、みんなここに来ないんだろうと思うくらいの最高の夜景スポット・・


目の前に輝くたくさんの光は、これは夢なんだって私を錯覚させた。


「きれ～～～！！！！先生、最高！！！マジで感動！！」


先生は、満足そうに腕組みをして夜景を眺める。


「今日の、掃除のお礼・・な・・」




先生は、手をつないでくれたんだ。





先生の手は、


あったかくて・・・


大きくて・・


とても安心した。



その手で、私をどこかへ連れて去って・・・


先生の手は、私を心から安心させてくれる手だった。



この夜景はどんな海外の夜景よりも素晴らしく私の心に焼き付いた。








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