白いジャージ ~先生と私~


勉強に行き詰まり、冷たいオレンジジュースで休憩。


思い出す。


去年の夏のあの日。



先生と大掃除をしたね。


先生からのオレンジジュースの差し入れ。




私は何かをすると・・先生を思い出す。


焼きそばを食べると先生を思い出す。

車に乗ると思い出す。

空に浮かぶ雲を見ると思い出す。

パジャマ姿のお父さんを見ると思い出す。

グレープフルーツ味のアメをなめると思い出す。

耳に手が触れると思い出す。




毎晩、月を見つめ

寂しくない・・と自分に言い聞かせる。





ピロピロピ~♪


夜中のメールは

愛しの先生からだった。


『窓開けてみ』



短いメールは相変わらず。


今夜の綺麗な月を見せてくれようとしてるのかな・・


窓を開けて月を見た。


その時、月明かりの中にたたずむ人・・・


先生がいた。


深夜12時ちょうど・・


私は、階段を転げるようにして下り、先生の元へ走った。


どうしたの??


卒業まで2人で会えないって・・・


言ってたのに・・・



< 455 / 480 >

この作品をシェア

pagetop