無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

ピアスとネックレス


私はこうして少しだけ大人の仲間入りをした。

なにより、善を"好き"だという気持ちが今までのが比にならないくらい大きなものになった。

私よりひと回り以上大きい善に包まれていたその時間は、冗談ではなく、世界で1番幸せだったのは私だと思う。

それくらい、善から"愛"をもらったし、私も"愛"をあげることができたんじゃないかなと思う。



それからの私たちは、さらにお互いのことを尊重する関係になった。
塾やバイト、進路や学校のことで忙しくて同居していてもなかなか2人の時間は作れなかった。

それでもケンカは一切しなかった。
善の気持ちを信じられたから。
善も私を信じてくれたから。



ーー月日は流れて本格的に受験シーズンへと突入した。


私は目指している駅5つ分離れている大学を受験することに。

善は、今までバイトをさせてもらってきたカフェで正社員として働くことに決めた。
いずれ自分のお店を持ちたいという夢を店長に話すと、心から応援すると言ってくれたらしく、そのままそこで働くことにしたんだと話していた。
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